毒家庭(機能不全家庭)で日常茶飯なマウンティング
夫婦の関係どっちが上か?
このマウンティング、通常は自身の優越性を他者に示すための行為だが、これが日常的に行われている家庭がある。
たいがいは夫婦関係だ。
お互いの親族の出自、学歴、職業、身体的特徴などに基づいて一眼でわかる優越性を持った側が、
一方的に相手にマウントを取り、それが長く続くようになる。
ここで問題になるのは結婚する際に「どっちが請われて(つまり惚れられて)一緒になったか」ということだが、
これが夫婦間のマウント合戦において「優越性を持つ側が惚れたのなら」比較的問題は薄い。
逆の場合は文字通り悲劇となる。私の両親がそうだった。
エリートの娘
母はその昔、軍事国家で最高級のエリートとされた海軍将校を父に持ち、しかも見た目が大変可愛らしかった。
敗戦とともに祖父は職を失ったわけだが、育ちとともに培われた母のお嬢様的雰囲気は、
戦後においても職場で大変な人気であり、母の後ろにはゾロゾロと「花婿候補」が列をなしていたらしい(この話を私は物心ついた時から何百万回と聞かされた)
さて、そんな母をめでたくゲットした父は、特にこれといって特徴のない家の出自であった。
ただ学歴だけが一流で「だから他の人よりマシだと思った」と甚だえげつない理由を母は、
普段から平然と父の前で言ってのけていた。
母の父つまり私の祖父は、いわゆる3高(死語)を絵に描いたような人で、イケメンで背は高く、学歴は超一流、おまけに
大変なモラ男であった。
母の生い立ち
母が言うには「24までに嫁に行け。それ以降は家に置かん」と言われ腰を蹴飛ばされるように
結婚したと言うのだが、
母はこの祖父に対する恨みを未だに口にする。
祖父は第一子である母が女であることがまず、気に入らなかった。
そして母が長ずるにつれ、母の気質を疎んじ、ことあるごとに馬鹿にして蔑むような態度を取ってきたらしい。
母にとって毒父の典型のような祖父の傍らで、必要以上に母をちやほやと甘やかしスポイルして育てたのが
祖母だった。
父親から徹底的に貶められ、母親から徹底的に持ち上げられて私の母は育った。
ちなみに祖父と祖母の仲は最悪で、それも一方的に祖母が嫌っていたらしいが、この祖母と
母が例の「仲良し親子」の典型であった。
その後、祖母ははや50代で亡くなり、母は大嫌いな父親の介護をしなければならなくなるのだが、
私は父に対する愚痴と不満とともに、この祖父の悪口も聞かされて育つ羽目となった。
ところで私の父という人は、気難しくて皮肉屋ではあったが決して毒父と言えるほどの人ではなかったため、
私が父の悪口を聞きたくないと言えば、
「娘は母親と一緒に父親の悪口を言うものよ!私がそうだったから!!」と一喝された。
マウントからモラハラへ
相手に様々な場面でマウンティングすることに飽きたらなくなると、その行為は次第にモラルハラスメントへと移行する。
恐ろしいのはそれが家庭内でだんだんと「至極ごもっとも」な常識と化すことだ。
例えば私の家庭で「子どもが父に似る」ことは、最大の悪であった。
特に女の子は父に似たが最後、絶対に幸福になれない(と母は信じていた)
そして、私を自分(母)に似ていると認めた瞬間だけ(滅多になかったが)ご満悦そうに私に
微笑んでくれた。
父はこんな女を嫁に欲しがったおかげでなんという人生を送らされたことだろう
(その悲惨な?末路についてはいずれ書く)
私は世の未婚男性たちに、声を大にして言いたい、
女の価値は見た目や生まれじゃないよ!
運よく高嶺の花を掴んでラッキー❤️となった次の瞬間から、人生とんでもない悲劇が口を開けて待ってるかも。
まあなんにしろ、夫婦の間がうまく行くにはお互いのバランスが必要です。
それは側から見てわかりやすい事情でなくても、お互いに相手に感謝できる存在でさえあればいいんです。
で、なければいずれ「不公平だ」と感じた側からマウンティングが始まるかもしれません。
ここで「ヤバイおれ(私)マウンティングされてるかも!」と気づければまだしも、
「なんだかよくわからないけど不愉快だ」(父の口癖)と言いながら、人生終了、となってしまう
ケースって意外と多いんですよ。
以上、自身の経験からでした。
関東雨が降っています。みなさま、ご自愛くださりませ。
さびドラ