さびブログ@アラ還毒親持ちの日々

それでも絶対幸せになれる。

毒親に対抗する「毒子呼ばわり」の矛盾

最近とあるサイトで、親を毒呼ばわりする子を「毒子」と呼び、そんな親不孝な

やつを許すな、とか言ってる記事を目にした。

 

まさに、「毒親の言いそうなたわごとだ」と感じた。

これらのトンデモ親は、まず自分が「頼まれてもいないのに」子どもを産んだことを

すっかり忘れている。

つまり「自分が産んでやった」「育ててやった」思考なのだ。

 

そして、すべての毒親はこの思考を持って子育てをしている。

 

最初から子どもが可愛くない

もしくはある一定の年齢に至るまでは猫かわいがりをし、それ以降は

肉体的精神的に不適切な対応をしながら育てている。

 

 不幸な結婚生活の果てに生まれた我が子を、どうしても愛せない、

という親は確かにいて、子どもにとっては高い確率で「毒親」になる。

(なぜなら子どもを愛せないんだからね)

 

つまり、夫がモラハラで、夫にクリソツな息子をなんとなく疎ましく思うとか、

大嫌いな姑に生写しの娘を見るたび、姑を思い出して気分が悪い、とかいった例は

確かにあるのであって、これは大変、不幸なことではあるのだが、

だからといって子どもを愛せなくて当然だし、そんな親でも子であるからには

理解を示し、子としての礼節を守れ、と開き直る理由にはならない。

産んだのは完全に親の責任

子どもは親に頼らなければ、生存さえ危ぶまれる。

さらに、産んでくれと頼んだ覚えがまるでないにもかかわらず、愛してもらえない、

守ってさえももらえない、という理不尽。

そんな中を必死で生きてきた「毒親を持つ子」としては、

親が愛してくれない理由など知ったことではない。

 

ここで、自分は望まない妊娠をさせられただの、親の親からの圧力で

仕方なく結婚妊娠をした、だのということはどうでもよろしい。

子どもにとってそんなことは、興味もないし聞かされる筋合いもない。

 

要は

アンタの問題だろ?関係ねーし

ってことですよ。

母の場合

私の母は、さんざん親族(特に夫。つまり私の父)の悪口を吹き込みながら、

私が聞きたくないと言うと

「私だって親から聞かされて育ったんだから、お前も我慢して聞け。

聞かなければ縁切りだ」とブチ切れた。

 

自分が我慢できたんだから子どもも我慢するべき、などという理屈は

まったくもって理不尽極まりない。

 

自分の過去(つまり親を拒否しなかったこと)を盾にとって、

他人の自由(子どもがそれを拒否すること)を奪うことは、

まさに子どもにとって押しつけ以外の何ものでもない。

そして価値観の押しつけは、毒親がもっともな理屈をつけて

よくやる手口なのだ。

そして子どもが成長すると

こんな親のもとで育つと、子どもは幼い頃から抱いている理不尽に

抵抗するため、成長するにつれさまざまな

親の嫌がることをやらかす

ようになる。

 

引きこもり、不登校、家庭内暴力、犯罪に手を染める、親の認めない相手と結婚する、

親に孫を会わせない、親の家に寄り付かないetc,etc

 

しかしである。私に言わせればそれらを「毒子」と呼ぶ資格は、

当の毒親本人にはない。

 

映画「リプリー」に見る毒父

パトリシア・ハイスミスの原作を映画化した、「太陽がいっぱい」の

リメイク版として知られるこの作品。

 

毒父の典型と見られる富豪のグリーンリーフ氏が、息子ディッキーの死に際して

吐くセリフに以下のようなものがある

「子は親を選べないというけれど、親もまた、子を選べないのだ」

www.amazon.co.jp

しかしこれは「卵が先か鶏が先か」のような、答えのない問題と一緒にするのは

根本から間違っている。

 

なぜなら子どもは、生まれたてはまっさらな状態で、

自分の命綱である親を、例外なく愛している

のだから。

 

その愛を、最初に裏切るのは親と子どちらの側だろうか?

これはもう、言わずもがな

十中八九親である。

 

先にあげたグリーンリーフ氏の捨て台詞は、毒親が我が子を毒扱いする場合に

よく耳にするが、まさしくナンセンス。

自分棚上げ、問題すり替えもいいところということになる。

親が抱える問題は、親の代で終わらせなければならない。

つまり子に連鎖させてはならない、ということ。

毒親のもとで育ったなら、そのツケは、きっちりと親に返さなければ

ならない。

たくましい母親の背後におしゃぶりの赤ん坊

その上で自分の子に対しては、その子が与えてくれる純真で、まっさらな愛情に

匹敵するものを、きちんと返すべきである。

 

それができない、もしくはできなかったから、あなたの子はあなたの目に

「毒子」と見えているだけなのではないだろうか?

 

毒子とはとっとと縁を切れ、親の尊厳を示してやれ、などという意見も見られたが、

当の「毒子」にとっては望むところであろう。

 

以上、どこまでも救いようのないのが毒親という人種である。

 

 

      さびドラ

      f:id:sabidoramyako:20200829151134p:plain